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備えを見直す合図 事業の変化と契約の節目

保険は入った時点の事業規模と家族構成に合わせて選んだものです。数年たてば外注先が増え、機材のリース料が乗り、住まいも変わります。見直しは思い立った日ではなく、事業と契約それぞれの節目に合わせると抜けが減ります。ここでは、どの変化が起きたら、止まった月の収支シートのどの行を書き直すのかを対応づけて整理します。

見直しは「思い出したとき」ではなく節目で

備えの見直しが後回しになるのは、いつやるべきかが決まっていないからです。保険料の引き落としを見て気になっても、繁忙期に入れば忘れます。そこで、きっかけを二種類に分けて考えます。ひとつは事業側の変化、もうひとつは契約側の節目です。

事業側の変化とは、売上構成や固定費が動いたときのことです。契約側の節目とは、更新日、満期、保険料払込期間の区切り、公的制度に関する書類が届くタイミングなどを指します。前者は予測しにくく、後者はあらかじめ日付が分かっています。

運用としては、日付が分かっている契約側の節目を年間の点検日として先に決めてしまい、事業側の変化が起きたときは、その都度シートの該当行だけを直す。この二段構えにすると、大がかりな棚卸しを毎回やらずに済みます。棚卸しそのものの手順は点検のページで扱っているので、ここでは「いつ、どこを」に絞ります。

事業側の変化とシートの対応表

事業が動いたときに書き直す行は、おおむね決まっています。外注先を増やした、または継続的な業務委託に切り替えたときは、事業欄の外注費の行です。止まった月でも支払いが続く契約かどうかで、固定費に入れるか変動費に入れるかが変わります。

機材やソフトウェアをリース・サブスクリプションに切り替えたときは、事業欄の固定費が増えます。事務所や倉庫を借りた、自宅の一角から外に出たときも同じです。逆に、拠点を畳んで自宅に戻したなら固定費は下がるので、必要な備えも下がる可能性があります。

取引先の構成が変わったときは、入金予定の行に影響します。支払サイトの長い取引先の比率が上がれば、同じ売上でも手元が薄くなります。売上が伸びたときも見直しの合図です。生活費の水準が上がっていれば、止まった月に必要な金額も上がっています。増えた分を備えではなく生活に回したまま、保障だけ開業当初のままというのが、数年目に起こりやすいずれです。

暮らし側の変化で動く行

事業と家計を分けて数えていても、見直しの合図は暮らし側からも来ます。結婚、子どもの誕生や進学、親の介護、配偶者の就業状況の変化は、家計欄の支出額そのものを動かします。

住まいの変化はとくに影響が大きい項目です。賃貸から持ち家に移れば、家計欄の住居費の性質が変わり、住宅ローンに付帯する保障の有無によって、必要な死亡保障の考え方も変わります。世帯状況ごとの分岐は家族と住まいのページで扱っていますが、見直しのきっかけとしては「契約書に署名した日」を合図と覚えておくと分かりやすいです。

健康状態の変化も合図のひとつです。通院や投薬が始まると、その後の新規加入や乗り換えの選択肢が狭まることがあります。だからこそ、健康なうちに現在の契約で足りるかを確かめておく意味があります。なお、加入可否や条件は各社の判断によるため、具体的な扱いは保険会社の公式サイトや約款で確認してください。

契約側の節目 更新型と満期の扱い

契約の側にも、あらかじめ日付が決まっている節目があります。代表的なのが更新型の契約です。一定期間ごとに契約が更新され、その際に保険料が変わる仕組みのものがあります。更新のお知らせが届いてから慌てるのではなく、更新月をカレンダーに入れておき、数か月前に内容を確認するのが現実的です。

満期や保険料払込期間の満了も節目です。満期を迎えると保障が終わるタイプなのか、その後も続くのかは商品によって異なります。手元の証券や契約のしおりで、いつ何が終わるのかを確認しておきます。

共済の場合は、年度ごとの更新や年齢区分による保障内容の変化が設定されていることがあります。加入者証や案内書類に区切りの年齢が書かれていることが多いので、その年齢を点検日として控えておくと取りこぼしが減ります。いずれも商品や団体によって仕組みが違うため、実際の条件は契約書類と公式サイトで確かめてください。

乗り換えを考えるときに立ち止まる点

見直しの結果、別の契約に移すという選択が出てくることがあります。その際に注意したいのが、新しい契約の保障が始まる前に古い契約を解約してしまう空白です。申込から保障開始までには手続きの時間があり、加入審査の結果によっては条件が付くこともあります。新しい契約の成立を確認してから解約する、という順番を崩さないようにします。

もうひとつが告知です。乗り換え時には改めて健康状態などを申告することになり、その範囲や期間の取り方は契約によって異なります。何をどこまで書くべきかは告知書の質問文に従うのが原則で、曖昧なまま出すと後々の支払いに関わります。告知の考え方は用語のページで詳しく扱います。

また、長く続けてきた契約には、解約すると戻らない条件が含まれている場合があります。今の保険料の安さだけで比べず、保障が終わる年齢、支払われる条件、途中でやめたときの扱いを並べてから判断してください。

年一回の点検日をつくる

実務としては、年に一回の点検日を決めてしまうのが手軽です。確定申告の作業で数字をまとめる時期は、事業の固定費と売上の実績が目の前に揃うため、止まった月の収支シートを更新しやすいタイミングでもあります。申告そのものと備えの点検を同じ週に置いておくと、資料を二度集めずに済みます。

点検日にやることは多くありません。シートの家計欄と事業欄の金額を最新に直す、手元資金と入金予定を入れ直して持ちこたえ月数を計算する、その月数と現在の契約の支払開始日・支払期間を見比べる。この三つで、足りない箇所はだいたい見えます。

変える必要がなければ「今年は変更なし」と帳面に一行書いて終わりにします。見直しは毎回契約を変えることではありません。数字を更新して、まだ合っていると確認できた記録が残ることに意味があります。次の年に前回との差分を見れば、事業の変化そのものも読み取れます。

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